「緑茶を使って水虫を治す」という民間療法があるのをご存知でしょうか?
これはちびまる子ちゃんの原作者であるさくらももこさんが、「もものかんずめ」というエッセイの中で紹介していた方法。さくらさんはこのお茶による水虫治療を実践して、ホントに水虫が治ったようです。
かなり昔の話ですが、水虫に悩んでいた私は、実際に緑茶を買ってきてやってみることにしました。
お茶で水虫を撃退!?そのやり方とは?
やり方はとてもシンプルです。
①緑茶の葉にお湯を適量かける
②しっとりとしてきたらその葉っぱをストッキングに入れる
③ストッキングに足を入れて、しっかりと緑茶の凝縮された原液が水虫に触れるようにする
④そのまま放置する
これだけ。
さくらももこさんは、緑茶ストッキングを履いた状態で眠って、一週間程度で水虫が治ったとか。
さっそく私も、近くのスーパーで緑茶の葉を買ってきました。
ストッキングはないので、ビニールの袋を代用しました。ビニール袋に茶葉を入れ、そこにちょっとだけ熱湯を入れてふやかします。そこに水虫になった足を突っ込むのです。
実際にやってみると、緑色にまみれた右足が結構グロい…。
ビニール袋に足を入れたら、ビニール袋の上から靴下を履いて固定しました。これで数時間放置。
このまま眠るのは、足が不快すぎるし、眠っている間にビニール袋からお茶がこぼれたら嫌だったので止めました。
数時間後にビニール袋を取ってみると…もう、足がフニャフニャになっていました。
当然ですよね、数時間お茶の中に浸かっていたんですから。
この方法を何度か繰り返したのですが…結局のところ水虫は治りませんでした。
お茶で水虫は治るのか?
なぜ緑茶が水虫に有効なのかはわかりませんが、おそらく緑茶に含まれるカテキンというポリフェノールの影響と考えられます。
ポリフェノールなんて聞くと「抗酸化作用を持つ栄養素」なんてイメージがありますが、本来、ポリフェノールは植物が持つ防御機能のひとつといわれています。
植物のもつ渋みや苦味はポリフェノールが原因であり、外敵に食べられないようにしていると考えられています。また、ポリフェノールには強い殺菌効果もあり、細菌や外敵から身を守る効果もあります。
緑茶のカテキンが水虫の原因である白癬菌を殺菌する効果があるとしたら、緑茶で水虫が治るという話も頷けますね。
ただ、わずか一週間で水虫がキレイに治ったという話は疑問が残ります。
白癬菌は分厚い足の裏の皮膚の奥にまで入り込んでいるため、数カ月間は治療を続けないと完治することができません。わずか一週間で水虫が完治するわけはないのです。
もしホントに足の状態が改善したとしたら、可能性はふたつ考えられます。
①お茶が皮膚の内部まで浸透した
実際にやってみるとわかりますが、お茶に足を浸けて数時間放置しただけで、皮膚がフニャフニャになります。
皮膚が水分を吸って柔らかくなっている状態ですね。
もし、カテキンがたっぷり含まれたお茶が分厚い皮膚の奥まで浸透して、そこにいる白癬菌を殺菌していたとしたら…一週間で完治したというのも頷けます。
しかしお茶にそこまでの殺菌作用はあるのでしょうか?
お茶は放置すれば、数日で腐ります。腐るというのは、お茶に入っていた細菌が繁殖するということ。
もしお茶のカテキンに白癬菌を殺菌するほどの力があるのなら、数日で腐るわけはないでしょう。
正直、白癬菌を殺菌するほどの強力な殺菌能力が緑茶にあるのかどうかは疑問です。
②水虫ではなかった
もうひとつの可能性が、そもそも水虫ではなかったというもの。
足が痒くなる。足の皮が剥がれる。足の指と指の間に水ぶくれができる。
これらが水虫の主要な症状ですが、必ずしも水虫が原因で発生するとは限りません。足が痒くなったとしても、ただのかぶれかもしれませんし、白癬菌が原因ではない可能性もあるのです。
水虫と似たような症状の皮膚病は意外と多いのです。
もし足が元々水虫でなかったのなら、わずか一週間で完治したのも頷けます。
まとめ
お茶を使った民間療法に、ホントに水虫を治療する効果があるのかはわかりません。
ただ、実際にやってみた経験では、効果はみられませんでした。
個人的には、効果があるのかわからないお茶を試すよりは、しっかりと水虫のために作られた治療薬を使った方が確実だと思います。
市販の水虫の治療薬を使うと、たった数週間で驚くほど見た目が良くなり、痒みもなくなります。
そこで治療を中止するのが再発の原因。
治ったと思っても、数か月は使い続けるのが、水虫を完治させるポイントです。しっかりと継続して治療を続ければ、皮膚科に行かなくても自分で水虫を完治させるのは十分に可能です。
少なくとも私は継続することで、自宅で水虫を完治させることができましたよ。