2018年1月18日に爪白癬(爪水虫)の治療薬としてホスラブコナゾール L-リシンエタノールの使用が認可されました。
これによりホスラブコナゾール L-リシンエタノールを主成分とする爪水虫治療薬「ネイリンカプセル100mg」の製造と販売が開始されて、爪水虫治療の選択肢が増えました。
ネイリンカプセルはトリコフィトン属による爪水虫に効果を発揮する医薬品。
白癬菌にもたくさんの種類がありますが、日本国内の水虫や爪水虫の原因はほとんどトリコフィトン属といわれています。
つまりネイリンカプセルはほとんどの爪水虫に効果を発揮する有効な爪水虫治療薬ということになるでしょう。
この記事ではネイリンカプセルの特徴や使い方、価格などの情報を紹介したいと思います。
☆私自身が爪水虫治療のためにネイリンカプセルを服用してみた感想はこちら
ネイリンカプセル100mgの使い方
約20年ぶりに登場した新しい爪水虫(爪乾癬)の薬が「ネイリンカプセル」です。
ネイリンカプセル100mgは経口真菌剤なので、爪水虫を飲んで治すお薬になりますね。
爪の表面は硬いので、外側から薬を塗布しても、白癬菌が住み着いている爪床まで薬効成分が届きません。
ですが、経口真菌剤は有効成分を血液を通して患部まで送り届けることができます。
一般的にネイリンカプセルは成人の場合、1日1カプセルで効きます。
これを12週間(約3カ月)続けて経過を見ます。
詳しい服用方法については、医師の指導に従いましょう。
ネイリンカプセルの副作用
ネイリンカプセルは101名を対象とした臨床試験で、その23.8%に何らかの副作用が現れました。
- γ-GTP増加 16例
- ALT(GPT)増加 9例
- AST(GOT)増加 8例
- 腹部不快感 4例
- 血中Al-P増加 2例
その他にも表れるかもしれない副作用は下記になります。
- からだがだるい
- 白目が黄色くなる
- 皮膚が黄色くなる
- 腹部不快感
- 便秘
- 吐き気
- 嘔吐
- 消化不良
- 腹部膨満
- 上腹部痛
- びらん性胃炎
- 口角口唇炎
- 膀胱炎
- 高尿酸血症
- 円形脱毛症
- 皮脂欠乏性湿疹
- 痒疹
- 白血球数減少
- 白血球数増加
- 赤血球数減少
- 血中クレアチニン増加
- ヘモグロビン減少
このような副作用が現れた場合は、ネイリンカプセルの服用を直ちに中止するべきとされています。
ネイリンカプセルの特徴
爪水虫の治療には内服薬が有効とされていて、今までは「ラシミール」や「イトリゾール」という薬が主に使われていました。
このラインナップにネイリンカプセルが追加されるわけですね。
今までの経口真菌剤は副作用として肝機能障害や血液障害のリスクがありました。
ネイリンカプセルも副作用として肝機能障害や血液障害はあるものの、その発現頻度が低い内服薬になっています。
そのため、肝臓が悪くて今まで経口真菌剤を服用できなかった爪水虫患者も、比較的安全に治療を行える可能性があります。
とはいえ、強い薬であるのは確かなので、皮膚科の医師の指導の下、きちんと使用方法に基づいて服用し続けることが大切です。
飲み方についても、以前の爪水虫の内服薬とは違います。
イトリゾールは「1週間のみ続けて3週間休む」、というサイクルを3回繰り返します。
ラシミールは1日1回の服用を6カ月継続する必要がありました。
それに比べてネイリンは1日1回を3か月と、使用の期間が短くなっています。
早ければ飲み始めて2週間で爪の状態に改善が見られるとか。
爪水虫を確実に治したいのなら、新しい薬であるネイリンがオススメですね。
ネイリンカプセルを購入する方法や価格
ネイリンカプセルはドラッグストアや一般的な薬局では販売していません。
処方箋医薬品なので、購入するには必ず医師の処方箋が必要となります。
まずは皮膚科を受診して爪を検査し、爪に白癬菌が確認されて爪水虫と認定された場合にのみ処方してくれるでしょう。
持病や現在服用している薬の種類によっては、他の治療法になる可能性もあります。
そこらへんは医師の指導に従いましょう。
そうすれば、安全に確実に爪水虫を治療できるでしょう。
ネイリンカプセルの価格についてですが、これが結構高額です。
1日分1粒で約900円ほど。
こちらは私自身がネイリンカプセルを処方してもらった際の、2週間分の金額です。
保険適用の3割負担で3,900円となりました。
実際に支払う金額で計算すると、3,900円÷14粒=約279円/1日となりますね。
ネイリンカプセルは3か月服用し続ける必要があるので、279円×90日=25,110円!!
爪水虫をネイリンカプセルで治療するには、病院の診察費などを加味すると、だいたい最低でも3万円くらいかかることになるでしょう。
新しい爪水虫の飲み薬が製造販売されるのは、なんと20年ぶりとのこと。副作用のリスクも今までの内服薬よりも少し低そうですね。
爪水虫の治療にも選択肢が増え、より治療がやりやすくなったのではないでしょうか。